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利用者ブログ
なぁんにもない、が実は満たされていて幸せなこと

年月に磨かれたウイスキーやワインがおいしくなるのと同じように、本当に人を惹きつける魅力を手に入れるためには、時間がかかる。生成AIが登場してから、その思いを一層強く感じるようになった。

こういったブログ記事の挿絵も、昔だったらイラストレーターさんに依頼して描いてもらわないとできなかったのに、今では自分でAIを使って、すぐにそれらしいものを生成できてしまう。

ぼくも実際にそうやって用意していたのだが、すぐに嫌になってしまった。そういう記事がインターネットに氾濫しすぎていて、まるで価値を感じなくなってしまったからだ。

見た目だけきれいに整えた、中身のないものを量産しても、そんなものは心には残らない。あなたには何も身についていない。だから今はあえて挿絵はいれるのをやめた。文章の力で、良い記事をあなたに届けたい。

ぼくは正直、自分の記事の中身に手応えを感じる時と、あまり感じない時がある。納得のいかないものは、今からでも消してしまいたいと思うことがある。

人間だから、感情がいつも揺れうごいている。その中で素敵なインスピレーションを捕まえられたら、何か皆さんに感じてもらえる文章が書けるかもしれない。

でも仕事としてやらせてもらっているので、1ヶ月考え続けて1記事作っていればいいというわけにはいかない。限られた時間で、継続的に記事を出していって、会社からのメッセージにする。

体調にも波がある。ぼくは脳に障害があって、うつ病で気分の高揚も気力もない鈍い頭から搾り出しているので、しんどい時も多い。

本当に価値があるものは、そう簡単には生まれない。
そもそも本当の価値があるものとは、プロダクトそのものではなくて、それを作り出した人自身だからだ。

経験や、勉強、人生の日々の積み重ねが深みのある豊かな人間性を作る。だからとても時間がかかる。そういった人々が生み出したものを、大量に学習し、組み合わせでアウトプットをするのが生成AIだ。根本的に模倣である。

生成AIで何かを作ると、急に自分がすごい力を手に入れられたように錯覚する。でもそれは見せかけなのだ。人間性に豊かさと深みができたわけではないし、本当の実力と知性が備わったわけではない。

宝くじが当たって急にお金持ちになってしまった人のようなものだ。それでも、本人がそれで良いのであれば、特に問題はない。その現状を楽しめばいいと思う。

ただ、本当の知性と深みのある人間性を備えた人にしか見えない世界もあって、それを見てみたくはないかい? とぼくは思うのだ。時間と努力の積み重ねからしか生まれない本物がある。

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関 宏貴

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長野県生まれ。ベストライフなんば利用者。 地球を冒険してから、京大、Appleなどで働き、ベストライフに辿り着く。 うつ病、強迫性障害、てんかん、ASD、HSP。ささやかでシンプルな生活を好む。 ベストライフで書いた著作に「HSPさんが自分の魅力に気づくための15のヒント」がある。