
障がいや難病を抱えている人から、なんでよりによって病気になってしまったのが私なんだろう、という声をよくいただく。
確かにおっしゃる通り。なんで自分なんだろう。
遺伝や、環境、性格の傾向、タイミング、運、偶然などによってなってしまったのかな。
ぼくは不思議と、なんで自分なんだろうと考えたことがなくて、ただただ受け止めている。
人生には、もしもなんてなくて、今生きているこの世界線こそが唯一の自分の人生なのだと考えている。
だから病気も含めての丸ごとが自分。切り離すことはできない。なくしたら、自分の一部が切り取られてしまうような気がする。
でも、みんなほんとにすごいと思う。気の持ちようなんじゃない? と言われたり、甘えているとか言われたり、大変な思いをたくさんしてきただろう。
ぼくは当事者だから、このつらさは自分が弱いからではなく、ほんとに病気なんだということがわかる。
自分すごいな、と思う。病気と闘ってるみんな、すごいなと思う。
甘えている、と言ってくる人が、今後同じ病気にかかったら、耐えられないんじゃないか。ぼくらだったから、こうやって耐えてこれたんじゃないか。
それほど障がいや難病ってしんどいよ。よく頑張っていると思う。このままやっていける保証なんてないし、いつ気力が潰れるかもわからない。
でも、それでもぼくは自分が好きなんだ。体調悪いし、不器用だけれど、病気がくれた素敵なものも、ぼくの中に含まれているんだろうな、と思う。
それはなんだろう。思いやりかな。心の余裕かな。世界を俯瞰してみる視点かな。ゆっくりな時間かな。
みんなは自分のこと、好き?

関 宏貴

長野県生まれ。ベストライフなんば利用者。 地球を冒険してから、京大、Appleなどで働き、ベストライフに辿り着く。 うつ病、強迫性障害、てんかん、ASD、HSP。ささやかでシンプルな生活を好む。 ベストライフで書いた著作に「HSPさんが自分の魅力に気づくための15のヒント」がある。