
レビューや体験談を見て、失敗を予防しようとする。誰かの判断を評価するというのも、これまた難しいものだ。
公平に見ている人も、もちろんいるけれど、初めからポジティブ寄りの人もいるし、ネガティブ寄りの人もいる。性格も関係しているだろう。
ポジティブ寄りの人は、欠点にみえるようなことにも良い部分を見つけて楽しんでしまう。とても良いことだと思うけれど、改良のための指摘にはなりづらいかもね。
ネガティブ寄りの人は、批判ありきではじまる。そうすると、感覚があらゆる欠点を拾い集めてしまって、最初から、ダメという結論が出ている状態で物事を経験することになる。
そういったフィルターを通された情報を見て、ぼくらは判断の参考にしようとする。
最初の人が星1つで最悪、とか書いているのを目にしただけでページを閉じてしまったりする。ぼくにも経験がある。
性急に判断しようとする。早く良い候補を見つけたいから、ダメなものはダメとすぐに切り捨てたい。
でも、時間がかかるし、めんどくさいけれど、自分の感覚で感じてみるのはとても大切なことだ。みんながダメと言っていることをあえて試してみることも、意味があるとぼくは思う。
失敗しても、後悔した感情が残るし、場合によっては傷つくかもしれない。その感情と後悔が経験値だ。
一見役に立たないように見える負の感情と経験だが、やっぱりそれは自分の人間性を深めてくれると思う。自分なりの意見と言葉を持つ力になってくれる。
とてもめんどくさいけれど、ネットで情報を集めるだけよりも、見学に行って、会社の人と言葉を交わして、社内を見てみてほしい。
ネガティブなレビューに書いてあったのと同じことを、あなたも感じるだろうか。
すぐにはわからないこともある。所属して、働いてみて、やめてもいいと思う。
仕事を転々としている人を卑下する風潮があるけれど、やめた彼、彼女たちはあんがい自分の言葉を持っている。
レビューだけで武装している人よりも、よっぽど世の中が見えていたりする。
評価されやすい完璧な履歴書を持っている人だけが、本当に優れている人だと思う?
あなたの経験は決して無駄ではないし、それがあなたを形作っているよ。
大丈夫。

関 宏貴

長野県生まれ。ベストライフなんば利用者。 地球を冒険してから、京大、Appleなどで働き、ベストライフに辿り着く。 うつ病、強迫性障害、てんかん、ASD、HSP。ささやかでシンプルな生活を好む。 ベストライフで書いた著作に「HSPさんが自分の魅力に気づくための15のヒント」がある。