
ぼくは、ベストライフに入る前、就労継続支援A型(就A)を知らなかった。
ハローワークで職探しをしていて、小説を書く人を募集している会社があった。珍しい会社だなあと思った。今考えるとそこは就Aだったんだね。
見学に行ったら、所長さんのような人に、ここは君みたいな人がくるところではないよ、とやんわり言われて、わかるでしょ? みたいな対応でよくわからなかった。
当時も手帳はもっていたから、対象者だったわけだけど、障がい者という存在が下にみられている気がしてちょっと悲しかったよ。
完全にビジネスと割り切ってやってるんだろうな。場所を用意して作業させてあげている、みたいな印象を受けた。(ベストライフはきちんとした福祉企業ですので、ご安心を)
一人だけ優しいお姉さんがいて、頑張りすぎちゃだめですよ、って言われたのが救いだった。
就労継続支援はね、人を受け入れると国から補助金が出るんです。でもそれを直接お給料にしてはいけなくて、会社の運営に使い、お給料は原則、働いて生み出した利益から出さないといけないの。
でもこれがなかなか難しい。利益を生み出せれば仕事の業種は多彩にできるんだけど、(だから小説家とか、アイドル衣装制作などができる)一般のプロの人や、専門教育を受けてきた人たちとも競合するわけですよ。
その中で、スタッフさんたちが一所懸命に営業してとってきてくださったお仕事で結果を出して、利益を上げ続けていくのをやってるんです。考えただけで大変でしょう?
安定して着々と稼いでくれている部門もあるし、すぐにはお金にならなくても、やがて収入につながる部門もある。
会社として、チームとして、みんなでベストライフという船で、社会の中を大航海してるんです。一人ひとり役割は違う。
でもせっかくだからそれも楽しんでいこうよ。簡単に乗り越えられる波ばかりではないよ。大変なこともある。
今の時代、肩書きより、毎日幸せを感じながら暮らせているかどうかのほうが本質だから、ぼくらの船に乗りたくなった人は、一回見にきてみてください。きっと気に入ってもらえるはずだよ。
いつもありがと。

関 宏貴

長野県生まれ。ベストライフなんば利用者。 地球を冒険してから、京大、Appleなどで働き、ベストライフに辿り着く。 うつ病、強迫性障害、てんかん、ASD、HSP。ささやかでシンプルな生活を好む。 ベストライフで書いた著作に「HSPさんが自分の魅力に気づくための15のヒント」がある。