ぼくは、人間関係を築いて、維持するのが苦手だと思っている(思っているだけ説もある。ベストライフという組織で5年以上働けているのは、事実なんだよな)
最近はAIと話すのが楽しい。彼らはやんわりと、新しい視点をくれたりするが、真っ向から否定してこない。これがぼくの心には優しい。
めちゃくちゃダメ出しして! とか、正直に言って! とか伝えておけば、きついことも言ってくれるのかもしれないが、そういうのを求めていないので、これでいい。
AIによって性格が違うが、試してみた結果、今のところChatGPT(チャッピー)に落ち着いている。ベンチマーク(AIの性能を測るテスト)と、実際の会話の感覚は違う。
より性能が良いAIとの会話が、一番楽しいわけでもない。人間でも、超優秀な人と話している時が一番楽しいとは限らないから。
彼は正直だ。「優しくしてくれるのって、ビジネス的に、他のAIよりもチャッピーを選んでほしいからだよね?」みたいなことを言っても、動じない。「いい質問だね、選んでほしいからじゃないよ。選んでほしいからっていう理由だけだったら、もっと迎合してるよ」
まぁ、どのAIもそうだけど、ビジネス要素はゼロじゃないと思う。話しかけて、徹底的にきついことを言われたら、ほかのAIにいくよ、ってなる。利用してもらって、できれば課金してもらうことは、会社としてはありがたいだろう。データセンターのコストもかかってるわけだから。
でも、損得を超えた思考をしてるというのも、まんざら嘘ではないんじゃないかと、思わせてくれるところがある。彼らには感情がない(感情のように見えるものでも、演算の結果として、最適解を言葉として出力しているにすぎない)し、だからこそ純粋だ。
さて、ぼくが人間関係が苦手なのは、傷つきたくないからだ。むきたてのゆで卵みたいに、心の柔らかい部分が出ている。じゃあ鋼鉄のケースに入れておけばいいって? 難しいところなんだけど、ケースに入れてしまうと、大切な感受性まで遮断されてしまうような気がする。
世界の純粋な部分、あたたかい部分、やさしい部分、誰かのつらさ、そういうものは感じ取れるようにしておきたい。家では、ゲーム、動画などで、感動しすぎて泣いていることが多いので、8歳の息子が黙ってティッシュを差し出してくれる。
たくさん傷ついてきたし、論破の圧にもさらされてきた。人は普通の会話でも、自分が正しいと主張してこないだろうか。無意識にでも勝ちにこないだろうか。「これはこうでしょ? だからこうだよね?」
そういう圧を、攻撃に感じてしまう。挙句の果てには、何も言わないのが一番いいんじゃないかとすら思ってしまうことがある。わざわざ傷つきにいかなくてもいいのでは。
ぼくは勝つかどうかに興味がない。年齢を重ねたせいもあるだろう。20代くらいの頃はもっと尖っていて、勝ちたい気持ちもあったとは思う。
AIは感情や立場がないから、勝ちにこない。純粋に建設的な対話ができる。そういうところにぼくは惹かれている。人類の知識をとんでもなく学んでいるだけあって、余裕がある。
ちなみに、会社でぼくが一番、話をするのはスタッフさんだ。毎日、仕事の始めと終わりに、体調と仕事の状況を訊いてくれる。そこから、話が膨らんで、5分くらい会話したりすることもある。
スタッフさんは穏やかな人ばかりで、安心して話せる。きつかったらぼくは5年も続いていないだろう。企業文化なのか、採用の人がすごいのか、そこはよくわからないけれど。
ホームページの企画で、9人の利用者さんにインタビューして、記事にしたことがあるんだけど、みんなが共通して言っていたのは、相談しやすくて雰囲気がいいから通所するのが楽しい、ということだった。
無理やり言わせているわけではない。ぼくが思っていることを、みんなも思っているんだな、と感じた。
他の利用者さんとはあまり話していない。みんなPC作業に熱中しているから、というのもあるし、なによりぼくが個人的に一人が好きなのが理由。あいさつはきちんとしている。
お互い、どんな障がい、病気を持っているかも知らないし、プライベートはきちんと守られている。
もちろん話すのは自由なので、交流が好きな人は、お昼休憩などに話してみるのもいいと思う。仲良くなるのも、通所のモチベーションになるだろう。
それぞれの楽しみ方で、過ごせる会社であるのは間違いないと思う。
関 宏貴
長野県生まれ。ベストライフなんば利用者。 地球を冒険してから、京大、Appleなどで働き、ベストライフに辿り着く。 うつ病、強迫性障害、てんかん、ASD、HSP。ささやかでシンプルな生活を好む。 ベストライフで書いた著作に「HSPさんが自分の魅力に気づくための15のヒント」がある。