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利用者ブログ
ぼくらは流動的だ

てんかんの治療を受けている病院に行ってきた。

救急搬送してもらって入院していた病院で、引き続きお世話になっている。みなさんとてもイキイキとお仕事をされている、とても良い病院。

意識不明になってから、あと半年で2年経つので、そろそろ家から近いクリニックに切り替えるのを検討してくださいとのこと。

特に何か治療するわけではないので、薬を飲んで、発作が起こらないようにコントロールし続けるしかない。

生きていると、いろいろ大変だけれど、様々な体験をするものだ。てんかんで、植物状態になるかならないか危ないところまでいったので、一回人生を終えたも同然だと思っている。

今は、与えてもらった追加の時間なので、生きられるところまで、生きてみようと思っている。いつ終わってもおかしくない。

ぼくたちは、個人で、個体であるかのように感じているけれど、本当はとても流動的だ。

人体は人間の細胞と、細菌が1対1の割合でできている。ぼくらの体の半分はたくさんの細菌だ。個体っていう概念が崩れてくるでしょう?

体の細胞は数ヶ月で全部、新しい細胞に置き換わっている。ぼくらの部品は交換されているんだ。交換されているのに、記憶は残っているし、意識も続いてる。

意識はおそらく電気信号のパターンで、部品が取り替えられても、パターンの波形は引き継がれるから、連続性を保てている。

人生を終えたら、大きな一つに還ると言っている人もいる。その場合、ぼくらはみんな合わせて、大きな海みたいなものだ。

そこに生まれる、一つ一つの波が、それぞれの個人の人生。波でいる間は、それぞれの意識があるけれど、波が消えたら、みんなで合わせて一つの大きな海に戻る。

雨になったり、雲になったり、波が消えても水の循環は続いていく。ぼくの後にも、新しい波は生まれ、どこかで消えていく。

いつかまた、ぼくは個人としての意識を取り戻すことがあるんだろうか。

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関 宏貴

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長野県生まれ。ベストライフなんば利用者。 地球を冒険してから、京大、Appleなどで働き、ベストライフに辿り着く。 うつ病、強迫性障害、てんかん、ASD、HSP。ささやかでシンプルな生活を好む。 ベストライフで書いた著作に「HSPさんが自分の魅力に気づくための15のヒント」がある。