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利用者ブログ
休むべきか、何かをやるべきか

何もやらない方が早く寛解するのか、何かやっていた方がいいのか。

うつを抱えたとき、ぼくたちはよくこの問いにぶつかる。休めと言われる。動けとも言われる。どちらが正しいのか分からないからこそ苦しい。実感としては、どちらも苦しさがあると感じている。

ぼく自身、部屋で丸一日ベッドに沈み込む日もあった。何もやらない方がいい。とにかく頭を休ませること。そう自分に言い聞かせた。

何かをやると言っても、資格勉強や運動や外出をしろというわけではない。ただ「今の自分が5分でも耐えられそうなこと」を選び、それをやってみるということだ。

それは歯磨きかもしれないし、冷蔵庫にあるプリンをスプーンですくってみることかもしれない。何か特別なことをやる必要はない。

ほんの少しだけ、自分の存在を現実につなぎとめる作業。その5分ができたなら、「やってもいい」と思える気力が少しだけ残っている証拠だと思う。

逆に、もし本当に体が鉛のようで、どんな小さな行為も苦痛に感じるなら、そのときは「何もしない」という選択肢を選ぶのがいいと思う。

無理やりポジティブになろうとしなくていい。うつはケガと同じで、折れた骨を動かせば余計に痛む。まずは痛みを痛みとして感じ、回復を身体に任せる時間が必要だ。

結局のところ、「何もやらない方が早く寛解するのか、何かやっていた方がいいのか」という問いの答えは、その日その時の自分が教えてくれる。

もしできることがあるならやってみる。何もできないなら呼吸だけしている。そうして毎日選択を積み重ねるうちに、気づけば少しだけ、自分が戻っている。

どちらか一方だけを続けなければいけないのではなくて、今日はどちらを選ぶ日だろうか。ベッドの中で、静かに問いかけてみてほしい。

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関 宏貴

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長野県生まれ。ベストライフなんば利用者。 地球を冒険してから、京大、Appleなどで働き、ベストライフに辿り着く。 うつ病、強迫性障害、てんかん、ASD、HSP。ささやかでシンプルな生活を好む。 ベストライフで書いた著作に「HSPさんが自分の魅力に気づくための15のヒント」がある。