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障がいがあるとはどういうことか

ぼくの祖父は片方の手首から先がなかった。でも、それが祖父の「普通」だったので、障がい者だと考えたことはなかった。個性の一部として自然に受け入れていた。

ぼく自身も障がいがあることを特別視していない。症状としてはつらいこともあるが、それも含めて自分なのだろうと思っている。

視力が悪い人は多く、メガネやコンタクトで解決できるため、日常生活ではあまり障がいとして意識されない。

うつ病も、障がい者手帳が発行される場合があるけれど、周囲の人はなかなか障がいだと思っていないことが多い。

障がいの捉え方は、症状そのものよりも社会や環境との関係で大きく変わる。

生まれつきの状態や個性を自然に受け入れる家庭環境や社会があれば、本人も自分を特別視せずに生きられる。

しかし、周囲が「普通」と異なることを強調する環境では、障がいがコンプレックスになりやすい。

障がいは個人の問題ではなく、社会との関係の中で意味を持つ。

現代では技術や医療の進歩で、多くの障がいが補えるようになってきた。義手や義足、補助器具、投薬、カウンセリングなどで生活の質は向上する。

しかし、そうした支援にアクセスできるかどうかは、経済的余裕や情報、支援者の存在にも左右される。全ての人が平等に生きやすいわけではない現実がある。

だからこそ、障がいを特別視せず「普通の一部」として受け入れることが重要だ。祖父の姿から学んだように、違いを当たり前として受け入れる社会が少しずつ広がれば、制度や文化も自然に変わっていく。

障がいとは単なる分類ではなく、個人と社会の関係の中で形作られるものなのだと、ぼくは感じている。

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関 宏貴

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長野県生まれ。ベストライフなんば利用者。 地球を冒険してから、京大、Appleなどで働き、ベストライフに辿り着く。 うつ病、強迫性障害、てんかん、ASD、HSP。ささやかでシンプルな生活を好む。 ベストライフで書いた著作に「HSPさんが自分の魅力に気づくための15のヒント」がある。